生理前の不快な症状の原因となるPMS。
PMSの原因はさまざまありますが、実はマグネシウム不足がPMSを悪化させる原因のひとつとなります。
今回は、
- PMSが悪化する原因
- PMSとマグネシウム不足の関係
- マグネシウム不足対策
について解説していきます。
目次
PMSとは?
PMSとは月経前症候群の略語で、月経前に現れる身体的・精神的症状を表したものです。
具体的な症状としては、
- イライラ
- 不安
- 抑うつ
- 情緒不安定
- 集中力低下
- 睡眠障害
- 倦怠感
- 腹痛
- お腹の張り
- 頭痛
- むくみ
など多岐にわたります。
実際にはPMSが強い人は低血糖や鉄欠乏もある人が多いようです。
そういった方はこれらの症状がさらに悪化することになります。
PMS悪化の原因
PMSは、一般的にはホルモンバランスが崩れることによって起こると言われています。
実際には、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンのバランスが重要です。
エストロゲンがプロゲステロンに対して量的に優勢になると、PMSの症状が悪化することになります。
エストロゲンが優勢になる原因のひとつとして、エストロゲン代謝の低下があります。
エストロゲンは主に肝臓で代謝、処理されます。
その時に働くのがCOMT(カテコール-O-メチルトランスフェラーゼ)という代謝酵素です。
実は、このCOMTの活性化に必要なのがマグネシウムなのです。
つまり、マグネシウムが不足するとエストロゲンの代謝が低下してPMSが悪化することになります。
まとめると、以下のようになります。
マグネシウム不足
↓
COMTの活性低下
↓
エストロゲンの代謝低下
↓
エストロゲン優勢
↓
PMSの悪化
マグネシウム不足対策
マグネシウム不足を改善するには、
- マグネシウムの消費を亢進する要因を取り除くこと
- マグネシウムの摂取を増加させること
以上のふたつの方面からアプローチすると効果的です。
順番に解説していきます。
マグネシウムの消費を亢進する要因を取り除く
マグネシウムの消費を亢進する要因は以下のようなものがあります。
まずは、これらの要因をなるべく取り除くようにしましょう。
- アルコール
- カフェイン
- 喫煙
- 精製糖質の過剰摂取
アルコール、カフェインは尿量を増加させます。
マグネシウムの大部分が尿と一緒に排泄されるため、尿量が増えると当然マグネシウムの排泄も増えてしまいます。
また、カフェイン自体がエストロゲンの代謝を遅らせるという報告があります。
相乗効果でPMSを悪化させる可能性があるため、カフェインはなるべく避けておいた方がいいでしょう。
低血糖により、アルコール、カフェインについつい手が伸びてしまうパターンもあります。
血糖値の安定化によって、ここはクリアできるかもしれません。
タバコの煙、アルコールは体内でアセトアルデヒドを発生させます。
アセトアルデヒドは人体にとって有毒なので、体内で代謝されるのですが、その際に必要なのがマグネシウムです。
つまり、喫煙、飲酒はマグネシウムの消費量を増加させてしまいます。
また、精製糖質の過剰摂取もマグネシウムの消費を増加させる要因となります。
本来、穀物(糖質)にはマグネシウムなどのミネラルが豊富に含まれているのですが、精製することによりミネラルが除去されてしまいます。
糖質の代謝にはマグネシウムが大量に使われます。
つまり精製糖質を摂取すると、マグネシウムを補給しないままマグネシウムを消費することになるため、マグネシウムは枯渇していくことになります。
糖質はなるべく精製度の低いもの(分づき米、黒砂糖など)を選ぶといいでしょう。
マグネシウムの摂取を増加させる
マグネシウムの摂取を増加させるには以下のような対策があります。
- 胃酸不足の改善
- サプリメントによる補充
- 皮膚からマグネシウムを吸収させる
まず胃酸について。
マグネシウムなどのミネラルが吸収されるには、胃酸がしっかり出ていることが必要です。
また、胃酸はタンパク質の消化をおこないます。
つまり胃酸不足ではタンパク質の消化吸収やミネラルの吸収が低下し、慢性的な栄養不足に陥る可能性があります。
日本人は胃腸が弱く、胃酸が少ない人が多いようです。
例えば、お肉を食べると胃がもたれる、お腹が張るという方は胃酸がしっかり出ていません。
胃酸分泌を低下させる要因として、
- ピロリ菌感染
- 胃酸抑制剤の慢性的な服用
- 低血糖による交感神経の緊張
などが多い印象です。
先ほども記載しましたが、PMSがひどい人は低血糖もある場合が多いため、特に低血糖対策は重要です。
低血糖があると交感神経が緊張するため、胃酸などの消化液の分泌が低下してしまいます。
また、日本人にはピロリ菌を保有している人が多く、ピロリ菌は胃がんのリスクを増加させたり、胃酸分泌を低下させるため早めの対処が必要です。
胃酸抑制剤は市販されているものも多く、誰もが入手しやすい状況のため頻繁に使用している人も多いと思います。
胃酸抑制剤の服用で果たして症状が改善しているのか今一度確認してみることをおすすめします。
ちなみに、お酢やレモンの搾り汁は胃酸を補助するため、食事に加えることでマグネシウムの吸収率を上げることができるのでおすすめです。
次にマグネシウムの補充について。
食事だけでマグネシウムを補うのは難しいため、サプリメントも活用しましょう。
iHerbで入手できるものとしては以下のようなものがあります。
Allergy Research Group, クエン酸マグネシウム
iHerbで購入できるサプリメントの品質はピンキリですが、これらのメーカーは栄養療法をおこなっているDr.からも信頼されているものです。
(その分、値段も少し高めです…。)
「〇〇酸マグネシウム」と記載のあるものはキレート化されたマグネシウムのことで、吸収率が高いものになります。
マグネシウムサプリを選ぶ際は、キレート化されたものを選ぶといいでしょう。
Trace Minerals に含まれるマグネシウムはイオン化されたもので、こちらも吸収率はいいのですが、正直味はかなり不味いです…。
しかし、リチウムなど貴重な微量元素も含まれているため、飲めるようであればこちらもおすすめです。
マグネシウムは皮膚からの吸収率が高いミネラルです。
マグネシウム不足改善のためには、皮膚からの吸収もぜひ利用しましょう。
マグネシウム入りの入浴剤やスプレーなどが使いやすいかと思います。
入浴剤には、硫酸マグネシウムを含んだエプソムソルトもありますが、皮膚からの吸収効率は上記の塩化マグネシウム入りの物の方がいいようです。
Sea Crystals(シークリスタルス) シークリスタルス 国産 エプソムソルト
※リンク先のレビューにも記載がありますが、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムはお風呂や排水管を傷めることはないようです。
まとめ
PMS対策についてまとめます。
- PMSの原因はエストロゲンが優勢になること
- マグネシウムが不足するとエストロゲン代謝が低下してエストロゲン優勢となる
- マグネシウムの消費を亢進するアルコール、カフェイン、喫煙、精製糖質の過剰摂取はなるべく避ける
- マグネシウムの摂取を増加させるために、胃酸不足の改善に取り組み、サプリメント・皮膚からの吸収も活用する
PMSの原因はもちろんマグネシウム不足だけではありません。
しかし、マグネシウムは非常に不足しやすいミネラルであり、PMSがひどい人のほとんどはマグネシウムが足りていないのではないかと思います。
マグネシウム不足の改善は症状の緩和に役立つはずです。
以上、ぜひ参考にしてみてください。