今回は生理痛と脂質の関係について解説していきます。
日々の脂質の摂り方で生理痛がひどくなるかどうかはかなり変わってきます。
生理痛は対症療法的に痛み止めの服用で一時的に改善しますが、根本的に解決するためには食生活を改善しなければなりません。
この記事では脂質の摂り方が生理痛にどのように影響を与えるのかということと、どういった脂質を摂れば生理痛を改善できるのかについて記載しています。
生理痛が悪化する原因
生理痛は子宮平滑筋が収縮することによって起こります。
子宮平滑筋の収縮が強いほど生理痛はひどくなります。
子宮平滑筋の収縮を起こすのはプロスタグランジンE2という物質です。
つまり、このプロスタグランジンE2の量が増えると生理痛が悪化するということになります。
プロスタグランジンE2の量が増える原因については以下の通りです。
- オメガ6系脂肪酸の摂取が多い
- オメガ3系脂肪酸の摂取が少ない
オメガ6系脂肪酸は体内で代謝されて、プロスタグランジンE2に変換されます。
つまり、オメガ6の摂取量が多くなると必然的にプロスタグランジンE2の量も増えてしまいます。
オメガ3系脂肪酸は体内で代謝されて、プロスタグランジンE3に変換されます。
プロスタグランジンE3にはプロスタグランジンE2の作用を抑える働きがあります。
つまり、オメガ3の摂取不足は生理痛の悪化につながります。
生理痛改善対策
生理痛を改善するには、オメガ6とオメガ3をバランスよく摂取することが重要です。
オメガ3とオメガ6の摂取量のバランスは1:2や1:4がいいと言われています。
しかし、現代の食生活では、この比率が1:10とか1:20と圧倒的にオメガ6過多となっています。
つまり、意識的にオメガ6の摂取量を減らし、オメガ3の摂取量を増やしていく必要があります。
オメガ6を多く含む食材は以下の通りです。
- コーン油、大豆油、ひまわり油
- 動物性脂肪
- 卵
- くるみ
基本的にはこれらの食材を過度に摂取することは避けるべきです。
動物性脂肪、卵などは優良なタンパク源になるので極端に減らすべきではないですが、他のタンパク源も組み合わせて摂取することをオススメします。
また、オメガ3を多く含む食材は以下の通りです。
- 亜麻仁油、えごま油、しそ油
- まぐろ、さば、さんま
これらの食材は積極的に摂取していくべきです。
ただ、オメガ3は非常に酸化されやすく、熱や光に弱いので保管に注意するべきです。
特に亜麻仁油、えごま油、しそ油などは直射日光の当たらない冷暗所に保管するなど気をつけておきましょう。
また、オメガ3を含む油は熱に弱いので、加熱調理ができません。
味噌汁やスープに混ぜる、サラダにかけるなどの方法で摂取するようにしましょう。
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オメガ3、オメガ6の摂取比率は生理痛の悪化に影響します。
つまり、普段の食生活が症状に大きく影響を与えるのです。
オメガ3やオメガ6については別記事「【脂質のはなし】オメガ3・オメガ6はバランスが重要!油の選び方と注意点について解説」に詳しく記載していますので、そちらも参考にしてみてください。
生理痛の症状が強い人は、一度食事の内容を見直してみましょう。