身体に悪いから、なるべく摂らないほうがいいと言われる食品添加物。
でも実際は、具体的にどんなものがどういうふうに悪いのかがわからないまま、なんとなく身体に悪そうだからという理由で「この商品はやめておこう」とか「この商品は大丈夫そう」と選んでいませんか?
食品添加物って種類がたくさんあって、「どういうものが良くないのか」なんていちいち覚えていられませんよね。
そこで、数ある食品添加物の中でも特に気をつけておいたほうがいいものについてまとめてみました。
以前は添加物が多いコンビニ弁当やお惣菜中心の食生活で、風邪をひきやすかったり体調を崩しやすかった私ですが、分子栄養学を学んで食事を見直すようになってからは、良好なコンディションで日々過ごすことができています。
この記事を読んでいただければ、どういった食品添加物に気をつけたらいいのかが整理できて、スーパーでの食品選びが簡単になります。
実際には添加物を完全に避けて通ることは困難ですが、食品の選び方がわかるということは健康を維持していく上で大きなアドバンテージになると思います。
食品添加物に対して漠然とした不安がある方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
リン酸塩
リン酸塩は食品の食感や風味を良くしたり、変色の防止や細菌・カビの増殖抑制などさまざまな用途で使用されています。
リン酸塩の表示については「リン酸塩」「ピロリン酸」「ポリリン酸」「メタリン酸」といった「〇〇リン酸」などのように比較的分かりやすい表記もあれば、「pH調整剤」「イーストフード」など一括表示されているものの中に含まれていることもあってわかりにくいものもあります。
このようにリン酸塩は添加物として幅広く使用されてます。
リン酸塩が使用される食品の例としては以下のようなものがあります。
(これらの食品の全てにリン酸塩が使用されているわけではありません。)
- パン、ケーキ
- スナック菓子
- 清涼飲料水
- 加工肉(ハム、ソーセージなど)
- 練り物
- お惣菜
リン酸塩の問題点としては、長期で摂取した場合にミネラル不足を招く恐れがあるということです。
リン酸塩はさまざまなミネラルを吸着して、ミネラルの体内への吸収を妨害します。
亜鉛、鉄、マグネシウムなどのミネラルはもちろん、マンガン、モリブデン、セレンなどの貴重な微量元素の吸収も妨害されてしまうのは非常にもったいないことです。
ただ、先ほど記載したように、リン酸塩は一括表示の中に含まれていることがあり、入っているかどうか分かりにくいことが多いです。
なので、日頃注意していてもリン酸塩の摂取を避けることはなかなか難しく、リン酸塩の効果を相殺するために意識的にミネラルを摂取していく必要があるかもしれません。
タンパク質加水分解物、酵母エキス
タンパク加水分解物、酵母エキスは食品に旨みをもたせる成分で、厳密には添加物ではなく食品に分類されます。
これらの中身はアミノ酸です。
アミノ酸は旨み成分として知られており、タンパク加水分解物や酵母エキスは食品に旨みをもたせるために広く使用されています。
タンパク加水分解物や酵母エキスの問題点としては、その旨みが強すぎるために味覚が狂ってしまうことです。
例えば、多くのスナック菓子にはこれらの旨み成分が含まれていますが、そういったものばかりを食べていると、薄味の料理には満足できなくなってしまいます。
また、タンパク加水分解物や酵母エキスは、一般的には塩酸によりタンパク質を分解することで製造されます。
その際にクロロプロパノール類という発がん物質が発生することがあり、微量ですが含まれてしまうこともあります。
なのでこれらの旨み成分はたまに楽しむ程度とし、常食とするのは避けておいた方がいいでしょう。
亜硝酸ナトリウム(亜硝酸Na)
亜硝酸ナトリウムは、ハムやソーセージ、イクラなどの食品の色を鮮やかに保つための発色剤として使用されたり、食品中のボツリヌス菌の繁殖を抑える効果もあります。
亜硝酸ナトリウムは以下のような食品に使用されています。
- ハム、ソーセージなどの食肉製品
- 魚肉ソーセージ
- いくら
- すじこ
- たらこ
亜硝酸ナトリウムの問題点は、食品中のアミン類と反応して発がん物質のニトロソアミン類に変化するというものです。
真空パックされたハムやソーセージはどうしてもボツリヌス菌が繁殖しやすくなるため、亜硝酸ナトリウムが必要になるのですが、頻繁に食べるのは避けたいところです。
タール系色素
タール色素は着色料の一種で、日本で食品に使用できるタール系色素は12種類ほどあります。
- 食用赤色2号、3号、40号、102号、104号、105号、赤色106号
- 食用黄色4号、5号
- 食用緑色3号
- 食用青色1号、2号
これらの着色料は主にお菓子、漬物、魚介の加工品、加工肉などに使用されています。
タール系色素は発がん性が指摘されている他、保存料である安息香酸ナトリウムと併せて摂取すると、子供の注意欠陥障害、多動性障害を悪化させる可能性があるという報告があります。
最近になって注意欠陥障害、多動性障害が増加しつつあるのは、もしかしたらこれらの食品添加物の摂取が増えていることと関係があるのかもしれません。
安息香酸ナトリウム(安息香酸Na)
安息香酸ナトリウムは保存料として、食品の腐敗を防いだり、微生物の増殖を抑えるために使用されます。
主に使用されるのはキャビア、マーガリン、清涼飲料水、栄養ドリンク、醤油などの食品です。
安息香酸ナトリウムの問題点としては、タール系色素のところでも解説したように、子供の注意欠陥障害、多動性障害などの症状を悪化させる可能性があるということがひとつ。
もうひとつは、アスコルビン酸(ビタミンC)などの酸性物質と反応して発がん物質のベンゼンを発生させてしまうということです。
アスコルビン酸は、清涼飲料水などに酸味料、酸化防止剤として加えられていることがありますが、保存状態によっては(温度が高い、光に当てられている場合)安息香酸ナトリウムとの反応が活性化して、ベンゼンが発生する速度が速まるようです。
コンビニで販売されているペットボトルに入ったホットドリンクなんかは、避けた方が良いかもしれません。
ソルビン酸
ソルビン酸も保存料として使用され、食品中のカビ、酵母、細菌などの繁殖を抑える作用があります。
ソルビン酸は、コンビニ弁当、お惣菜、かまぼこ・ちくわ・はんぺんなどの練り物、ワイン、チーズ、ジャムなど幅広く使用されており、摂取する機会が多い添加物です。
ソルビン酸の問題は、長期の摂取により腸内細菌のバランスに影響を与える可能性があるという点です。
in vitro での研究ではありますが、ソルビン酸の添加によりビフィズス菌などの腸内細菌が減少したという報告があります。
ソルビン酸の長期的な摂取は、腸内環境を悪化させる可能性があるため避けておいた方がいいでしょう。
防カビ剤
防カビ剤は、収穫後のオレンジやレモンなどの柑橘類やバナナなどの果物に使用されるもので、いわゆる「ポストハーベスト農薬」と呼ばれるものです。
外国で収穫された果物は、輸送中にカビが発生しないように防カビ剤が散布されています。
収穫後に使用される防カビ剤の濃度は、通常、畑で使用される農薬の濃度の数百倍にも及ぶことがあるため問題となっています。
防カビ剤は果物の表面に散布されるものですが、仮に表面を洗浄したとしても防カビ剤が果肉まで浸透している可能性があるので注意が必要です。
防カビ剤としては以下のようなものが使用されています。
- OPP(オルトフェニルフェノール)
- TBZ(チアベンダゾール)
- イマザリル
- フルジオキソニル
これらの防カビ剤には発がん性、遺伝子損傷性、催奇形性(胎児に奇形が起こる危険性)があるため、果物は外国産のものではなく、なるべく国産のものを選んだ方がいいでしょう。
ちなみに、未包装の個別で販売されている果物であっても、防カビ剤を使用している場合は陳列場所の近くにその旨を表示するよう義務付けられているので、そういった表示を確認してから購入するようにしましょう。
まとめ
以上、特に気をつけておきたい食品添加物についてでした。
食品添加物はあらゆる食品に使われているので、冒頭にも書きましたが、すべてを避けることはほぼ不可能です。
しかし、適切に食品を選ぶことができれば添加物の摂取を少なくすることはできます。
健康を維持するためには、「何を摂るべきか」「何を摂らないべきか」といった選択が非常に重要です。
今回の記事が、ここまで読んでいただいた方の健康維持に少しでも役立つことができれば幸いです。